「おいしさは何処に?」「おいしさは何処に?」「味はいいんだけどおいしさが足りない。」 たまたまテレビを見ていたらそのなかで、奥さんが作ってくれたお弁当を食べた旦那さんの発した言葉です。 一緒に見ていた相方ともども妙に納得し、かなり真実だなぁ~、と思った次第。 その時は冷凍食品を食べての感想でした。 今のレトルトや料理の素のようなものは、厨房のプロ顔負けの味わいをだしていて、一口食べた時の印象は確かに強く残り訴えかけてきます。 でも、どうもなにかが足りない。 もちろん、これは別に冷凍食品やインスタント食品に限っただけのことではなくて、外食したり、また家庭の食事でも感じることはままあります。 それは香料や添加物由来のものだったり、もともとの素材自体が悪いからというだけではないような気がします。 家庭で料理をつくる。 畑で野菜をつくる。 食品工場で加工食品をつくる。 そのひとつひとつの「つくる」のなかでおいしさも一緒につくっている。 見て、触ってみて、喰べて、味わって、いろんな世代の五感に響きあうおいしさ。 一人歩きする成分やその効能、テレビやガイドブックなど流行の情報に振り回され支配されるよりも、あなたにもきっとオーダーメイドのおいしさがあるはずです。 みやぎの自然と食文化の旬が調和して、そしておいしさもたくさん入っている。 私は、そんな食育の機会を、これからも大事にして生きていきたいと思っています。 ながいあいだ、私のつたない文章におつき合いくださいまして、まことにありがとうございました。 このような貴重な機会を与えてくださった河北新報さん、読者のみなさまにあらためて深く御礼申し上げます。 ーーー 一年間、書き続けたエッセイの底流にある思いは、 「家族」。 「集落」。 「生態系」。 「地域資源」の大事さ、貴重さについてでした。 一部直接的なものもありますが、 できるだけやわらかい表現につとめました。 「ふぅ~ん、こんな考え方もあるのねぇ~」くらいにでも、思いが通じれば幸甚です。 このエッセイの評価は、私のこれからの行動しだいとなります。 共感していただけるところは、ありましたでしょうか? ジャンル別一覧
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